虫に興味なし!そんな息子の虫ストーリー

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こんにちわ。いつママの「るな」(保育士経験11年、現在4歳の繊細っ子の子育て中)です。

車、恐竜、電車、魚、動物、ヒーローものにはほとんど興味がなく、
かといって絵本やごっこ遊びが好きかといえばそうでもない。
積み木なんぞものには目もくれない。

虫は怖いし、触りたいとも思っていない息子。

これといって好きというものがほとんどない。

そんな息子の心がちょっと動いたストーリー。

寝る前にやってきたアイツ

寝室に向かおうとしたところで、どこからともなくやってきたカメムシ。
カメムシといえば、そう。
今年大量発生して世間をざわつかせていたアイツだ。

身を守るために、臭い匂いまで放つ、憎いやつ。

我が家は無駄な殺生はしない家庭なので、どうにか
逃してあげようと思った。
だが、突如急降下し、息子の目の前までやってきたカメムシ。

息子は恐怖と驚きで、手で追い払う。
すると、床に着地したカメムシ。

私が逃そうと思っていたら、何を思ったのか、
凄い勢いで玄関から虫かごを持ってきて、焦りながらも『ここに入れる?!』と。
一瞬時が止まったような感じがしたけど、
すぐに私は、ハッとして、カメムシをそっと虫かごの中に入れた。

どうして虫かごに入れたいか、すぐにわかったからだ。

息子のまなざし

幼稚園では、数人のお友達が虫かごを持ってきている。
捕まえたトカゲ、カブトムシの幼虫。
バッタやカマキリ。などなど。

決して触ることは無いし、『見せて見せてー!』と
割って間に入ることは無い。
でも、その様子を息子は遠目で見ていたのだ。
そして、そこに、小さな憧れのようなものが芽生えていたのだ。


初めて、息子の虫かごに、生き物が入った瞬間だった。
今まで、木の実や落ち葉しか入れたことがないその虫かごは、
嫌われ者のカメムシのお家になった。

『明日幼稚園に持っていく?』
その言葉を聞いた時、今までちゃんとクラスの一員として、
過ごしてきていたんだなと思ったし、苦手な集団生活のなか、
息子は息子なりにクラスの姿を見てきていたのだと思った。

あいにく三連休だった。
その間にカメムシが弱ってしまうのではないか心配だった。
なにより、初めて持って行った虫が、あのカメムシ…。親としては、ちょっと心配だった。

次の日も虫を探してみたけど、何も見つからなかった。

その次の日は雨。だけど、何か捕まえられるかも!という息子と
虫取り編みと、もう一つの虫かごを持って、近くの公園まで虫取りに行った。
息子の初めてのこの気持ちが冷めないうちに、
付き合ってあげたいと思い、私も必死。

雨のため公園には誰もいない。
誰かがいると、公園に入れない息子だから。良かったよかった。
雨だし虫も隠れているようで、今日も何も見つからない。
風も強まってきて『何もいないね、帰ろうか』と息子からひとこと。

公園を出ると、風は強まり、走って帰る事に。
どうしよう、何も捕まえてあげられなかった。
そんな気持ちが頭をぐるぐる回っていた。
すると息子が『虫。虫かな?』と。見ると
大きなカマキリが!!急いで虫取り編みで捕獲!!
私の方が安堵と凄い奇跡!と思って大喜び。

これはなんていう虫?と聞く息子。
虫に全く興味がなかった息子は、
これがカマキリということは知らなかった。
帰ってからも息子は虫かごをじーっとながめていた。

いざ幼稚園へ

連休明け。息子は大事な大事なカメムシをお留守番させて、
カマキリを幼稚園に持って行った。

すかさずみんなが寄ってきて、
息子はどうしたらいいか分からずドギマギ、タジタジ。
私が、お休みの日に公園で捕まえたんだよ、など説明しながら
みんなとカマキリを観察した。

クラスの虫博士のSくんも、その日はたまたまカマキリを持ってきていた。
『隣に虫かご置いていいよ!ここ!』と言ってくれて、
廊下にはS君の虫かごと、息子の虫かごが並んだ。
『これはオス。こっちはメスだね!』と私に教えくれた。
そんな様子を息子は見ていた。
何を感じていたのかな。
言葉に出来るような簡単な気持ちでは無いけど、
きっと息子なりに何かを感じていたはず。


ただのカメムシ‥ではない!

さて、カメムシは、とうとう『カメムシ君』という敬称まで与えられ、
ただのカメムシではなくなった。
捕まえた時は『なんか臭いねぇー』なんて言っていた息子。
だが、カメムシ君は、その一回だけ匂いを放っただけで、
それからは一度も匂いを放つことはなかった。

カメムシ君がやってきてから一週間ほどが過ぎた日の朝。
とうとう、カメムシ君はお星さまになってしまった。
それを最初に見つけたのは私で、なんて息子に言おうか…と考えたけど、
でも、そのまま伝えた。

『カメムシ君お星さまになったんだ』
息子はすぐにわかったようだった。
『なんでかな?なんでお星さまになっちゃったのかな』
そう言って息子は涙を流した。
私の左肩にもたれかかりながら、しばらく悲しんでいた。
息子にとっては大きなショックだったのだ。
それだけちゃんと理解し、想いが込められていたのだ。

それはそれは天気のいい日で、庭の木の下に、カメムシ君を埋めた。
私はそっと手を合わせると、息子はまた『なんでお星さまになっちゃったんだろ』と言った。
また生まれ変わって会えますようにって、
一緒にお願いしようと声をかけ、一緒に手を合わせた。
(多分ここでこの声かけはいらなかったなと反省している。ここでは、私が手を合わせる姿を見せるだけで良かったのだ。息子は息子なりに自分で感じ、私の姿をみて、何かを学んでくれればそれで良かったなと。)


繊細っ子の息子にとっては、余計に大きな出来事に感じただろう。
他にもっと何かやり方があったかもしれない。

でも、これでいいんだと思う。
これで良かったのだ。


ここまで壮大に書いたけど、
これはカメムシの話だ。と時々冷静になると、恥ずかしくなる。
でも、私たちにとっては、小さなカメムシの大きな出来事だった。


経験するから学べること

カメムシ君がいた虫かごには、今、再び木の実がたくさん入っている。
いつかまたきっと、ここに小さな命が住むかもしれない。

そんな経験を繰り返して、命を学び、感じ、考えていければいい。
きっとそれでいいのだ。

そんな息子の姿を私は共に喜びながら、
悲しみながら、見守っていきたい。


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