自閉っ子と兄妹のケンカ事情
10歳、5歳、2歳の3児を育てる現役保育士のくりママです。
我が家の次男は中度知的障害を持つ自閉症です。
自閉症の特性の一つである『人への興味の低さ』は自閉症である次男にもあります。ただ、生まれた時から一緒にいる兄に対してはその姿はなく、大好きな存在です。
しかし、妹は3歳の頃に突然やってきた赤ちゃんで、ママを取られた感覚もあり、敵対心の表れなのか・・・存在を無視。という状態でした。
そんな関係性だったこともあり、兄妹喧嘩がほとんどない家でした。
兄は年が離れていることもあり、好きなこと、物が違うので取り合いになることもなくそれぞれが個人プレーで遊ぶ。妹も小さくひとり遊び。という個々で過ごすことが主な兄妹だったんです。
兄妹の関りが少なく寂しい気持ちもありましたが、仲裁の大変さがなく平和な日々ではありました。
それが約1年半ほど続き、最近は家族として理解し始め、笑って追いかけっこをしたり、手を引いて連れて帰ろうとする姿も出てきています。その中で、子どもたちの成長にともない少しずつ喧嘩が増えてきました。
それは嬉しい成長、嬉しい関わりでもあります。
しかし!!!
自閉っ子と兄妹のケンカの終着点が見えないことの壁に直面しました。
保育士の得意なこと?のひとつ。というよりも
日常で常に経験している『けんかの仲裁、仲立ち』は私の中で自信のある方ではあったスキルですが・・・
自閉っ子+知的のある次男を説得させるためには年齢に合った言葉かけの経験だけでは対応ができなかったんです。
理解ができない。我慢ができない。
こだわりを崩すことが難しい。癇癪に繋がる。
そんな息子にどのように伝えるべきか悩んだし、兄妹たちにも次男だけ特別扱いをするという現状が納得できない、理不尽に感じる。という思いをどう処理していくか。難しいことだらけです。
兄に対しての対応
長男は年が5歳離れていることもあり、喧嘩になるような関りになった頃には次男の障害についてある程度理解ができる年齢になっていました。
そのため、まずは特性を説明することを日常の中で伝えることをしてきました。
もちろん、特性のことが分かっていても兄にも譲れないこと、許せないことはあります。
兄の反応を見ながら、『ここは次男を無理やりにでも我慢させなくてはいけないな』という場面、出来事に対してはどんなに泣きわめこうが次男をとにか止めて切り替えさせることをします。
それ以外の場面では兄に理解を求め、我慢してもらうことは多くなってしまいますが、必ず『分かってくれてありがとう』というのは伝えています。
ここが障害児を抱える『きょうだい児』が抱える葛藤や苦しみ、不満になっていってしまうのかもしれないな。。と思いながらも、今の段階では理解が難しい次男の成長段階を、長男に理解してもらうしかない。と葛藤しながら過ごしているところです。
妹への対応
長男よりも次男との年齢差が近い妹とは、次男が成長してきていることもあり、1歳くらいから喧嘩勃発です。ここの仲裁が難しい。
妹に対しては絶対に譲りたくない、というライバル心が根本にあるため、次男もより自分の気持ちは動きません。そんな兄に対して、妹も成長するにつれ負けなくなり、向かっていくようになりました。
妹への対応としては同世代同士の喧嘩と同じように『お互いの気持ちの代弁』『気持ちの伝え方』をお互いに対して必ず行います。発達段階が同じくらいになっているからこそ、一番大切なやりとりだと思っています。
その結果として、どこに落としどころをつけていくのか。そこが壁になっています。
次男も理解できるようになっているとはいえ、こだわりが発動している時には納得させることや切り替えることが難しい。
そうなると、妹の方に我慢してもらうことの方が増えてしまいます。
妹の方は単純な性格と、ごまかしが通用する年齢ということもあり、『代わりの物』『代わりの行動』『十分な受け止め』でうまーく気持ちを切り替える方法を使っています。
ただ、そこにいたるまでの中で、【取り合いになる→手が出る→泣いて騒いで思いを通す】という行動をする兄を見てしまっているが故、経験としてそれを学習してしまっている妹。
保育園や次男以外とのやりとりでその方法を自然とやってしまう。ということも出てきました。
そこは友だちとの関り、社会性を身に付けていく中でよくないと思っています。
泣けば思い通りになる。
手を出せば思いを聞いてもらえる。
怒り、悔しいという気持ちを物を投げることで表現する。
など、兄の行動をよく見ているんです。
これからもっと妹が成長していき、喧嘩も複雑になっていくと思います。
でも、次男も成長していき、理解できることが増え納得するための手段も増えていくと思うし、気持ちをコントロールすることも少しずつできるようになってくるはずです。自分の気持ちの伝え方を覚えたり、相手の気持ちが分かるようにもなっていくと信じています。
実際、最近の次男を見ていても、その変化が感じられるから。
『自閉症児とそのきょうだい児』とは・・・
普通のきょうだいと同じことも多いけれど、やっぱり難しい部分もある。
自閉症の特性+知的障害という壁はどうしても家族が乗り越えていかないといけない部分。
兄、妹が抱える悩みはこれから増えるかもしれない。
でも、親として一緒に向き合っていくし、子どもたち一人ひとりの気持ちを大切にしていきたい。
そして保育士としての知識、経験を増やしていけるし、同じような悩みを抱える人に少しでも力になれるようなことを届けられるはず。とプラスに考えて過ごしていきたいと思っています。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
いつママとして他にもいろんな記事や投稿を書いているので読んでいただけたら嬉しいです。